2017.04.21
腸について(短鎖脂肪酸)
前回に引き続き腸についてのお話しで、善玉菌を活性化させるキーワードとして、短鎖脂肪酸と食物繊維がありますが、今回は短鎖脂肪酸についてお話ししたいと思います。
短鎖脂肪酸は、2002年頃に発見され、どのようにつくられるかが分かったのが2014年とまだ最近の話とか。
短鎖脂肪酸として代表的な酸を紹介すると・・・
☆酢酸
働き・・・抗菌活性・エネルギー源・血清コレステロールの上昇・酵素の摂取機能を高める・結腸の血流促進・カルシウムの吸収促進etc
☆プロピオン酸
働き・・・抗菌活性・糖新生の促進・血清コレステロールの低下・カルシウムの吸収促進etc
☆酪酸
働き・・・抗菌活性・大腸粘膜のエネルギー源・抗癌性・癌遺伝子の抑制・細胞分化・正常細胞の増殖促進・ヘモグロビンの合成促進etc
短鎖脂肪酸の作られ方として簡単にまとめると、質の良い炭水化物(オリゴ糖・デンプン・食物繊維)を摂取する事で腸の中の善玉菌により発酵されると生成されます。
具体的にどのような物を摂取するといいかと言いますと、
海藻類
昆布・寒天・ひじき・ワカメ・モズク・ノリ・青さ・ところてん etc
果物類
プルーン・ゆず・キウイ・バナナ・リンゴ・いちご・桃 etc
野菜類
ニンニク・ゆりね・ゴボウ・アボカド・オクラ・モロヘイヤ・春菊 etc
豆類
豆きんとん・納豆・きなこ・インゲン豆・あずき
などになります。
~短鎖脂肪酸の働き~
腸内の善玉菌の発酵で生じた短鎖脂肪酸は、95%が大腸粘膜から吸収され、すべての消化管と全身の臓器の粘膜上皮細胞の形成と増殖を担っています。
因みに、大腸粘膜などは、100%短鎖脂肪酸がエネルギー源になります。
短鎖脂肪酸がないと、大腸壁の維持が出来ず、不足すると粘膜に隙間が出来、細菌が体に侵入しやすくなります。
また、短鎖脂肪酸は粘液を分泌させる働きもしているので、不足すると胃液や腸液・膵液・胆汁も十分な分泌が出来ない事に繋がります。
現在、花粉症で悩まれている方もいらっしゃると思いますが、花粉により出てくる鼻水や涙、その他に唾液も短鎖脂肪酸が作っています。
ですから、免疫の働きにあたって、短鎖脂肪酸から生まれる粘液が体を守るのに重要になる訳です。
また、肥満を予防するために、無理な糖質制限(ダイエット)は、かえって腸内環境を悪化させてしまいます。
短鎖脂肪酸がたくさん生み出されるよう、上記でお話しした食材を継続的に摂り腸内細菌(善玉菌)を増やして、腸内フローラを改善していくことで、余分なエネルギーが肥満細胞に吸収され、脂肪が蓄積されていくのを防ぐ働きがあることも研究により分かってきたみたいですので、是非心がけてみてはいかがでしょうか?